安藤サクラ

私はねずみ。
ねずみという名前のねこ。

ややこしくってごめんなさい。
でも、私の名前はねずみ。

私には1匹の姉と、13匹の弟と妹がいて、
みんなでこの白い家で暮らしている。

思わず駆け上がりたくなる壁の小さな階段や、
リビングを見下ろす天井の細い通路。
家中の部屋を繋ぐ穴々。

少しかわったこの家が、私たちの家。

あの日、まだ私に帰る家がなかったあの冬の日。
公園で凍えている私に、「大丈夫?」とひとりの女性が声をかけた。

人間のことは苦手だったけれど、
あの時、私はとにかく寒くて、
逃げたくても身体がうまく動かなくて。

すると、隣にいた男性が、
「寒いよね、おいで」とあの大きな手で私を抱きかかえ、
家に連れ帰り、ミルクを温めて、
柔らかい毛布で身体を包んでくれた。

暖かくて、暖かくて、私はにゃーと小さく鳴いた。

ねずみなんて、変な名前だなって、私も思うの。

でも、この名前とこの家が、私と14匹の兄弟たち、
そして、あの2人を、ひとつの家族にしてくれている。

だから、私はねずみ。
ねずみという名前のねこ。

ややこしくってごめんなさい。
でも、私の名前はねずみ。

私には1匹の姉と、13匹の弟と妹がいて、みんなでこの白い家で暮らしている。

思わず駆け上がりたくなる壁の小さな階段や、リビングを見下ろす天井の細い通路。
家中の部屋を繋ぐ穴々。

少しかわったこの家が、私たちの家。

あの日、まだ私に帰る家がなかったあの冬の日。
公園で凍えている私に、大丈夫?」とひとりの女性が声をかけた。

人間のことは苦手だったけれど、あの時、私はとにかく寒くて、逃げたくても身体がうまく動かなくて。

すると、隣にいた男性が、寒いよね、おいで」とあの大きな手で私を抱きかかえ、家に連れ帰り、ミルクを温めて、柔らかい毛布で身体を包んでくれた。

暖かくて、暖かくて、私はにゃーと小さく鳴いた。

ねずみなんて、変な名前だなって、私も思うの。

でも、この名前とこの家が、私と14匹の兄弟たち、そして、あの2人を、ひとつの家族にしてくれている。

だから、私はねずみ。
ねずみという名前のねこ。

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