サイトナビゲーションローカルナビゲーションコンテンツインフォメーション
トップ > ハイライト > 公開シンポジウム
サイトマップ

公開シンポジウム
家から変わろう、サステナブルへ ステークホルダーミーティング2006公開シンポジウム


サステナブルな家とは?
松平さん:日本の家づくりに関して私がいちばん思うのは、手に入れたときがいちばん良くて、後はどんどん価値が下がってしまうという固定観念があるのではないかということです。しかし、そういった考えは世界を見渡すと少数派で、家族の歴史や生活を受け止めることができる「本物の家」というのがサステナブルな家ではないでしょうか。

広原さん:私は、「スローライフ社会」、お互いが愛情など色んな形のネットワークで結ばれている「個人ネットワーク社会」、「知縁社会」という3つのキーワードがサステナブルな家を考える上で大切になってくると思っています。

星野さん:ここの施設にもありましたが、「納得する」というのが非常に大事なのではないでしょうか。自分が安全・安心であるということ、自分が気持ち良いと感じられるものを取り入れること。そうした感覚があってこそサステナブルだと思います。

小出さん:私は家を建てる際に季節や自然を感じられるようにしたいと思っています。今の時代は何もかもがキレイで便利になりましたが、何かもっと大切なものを忘れつつあるんじゃないかと感じています。

竹節さん:子どもを持つ親としては、安全や安心、環境ということに配慮していただければと思っています。

岡本さん:寝室や住居という最低限なものは確保されているわけですから、後は自分たちの今までのライフスタイルを変えていくという責任感が必要ではないでしょうか。

西澤:完成して終わりではなく、お客様に対して入居後満足をどう考えるかをこれからの設計として考えなければなりません。

納得工房やアネックス・ラボの見学会

これから求められる家とまちやコミュニティとの関係は?
広原さん:高齢社会が到来する中で、定年後もその地域で20年近く過ごさないといけない。そのためには「徒歩生活圏」つまり足で生活できる環境というのが決定的に重要になると思うんです。

星野さん:家というのは最小限の社会単位ですから、さまざまな社会問題を家族や地域の人と一緒に考えたり、学んだりする場になるのではと考えてみました。

西澤:当社の街づくりでは、「まつり」をコミュニティづくりのしくみとして取り入れる試みもしています。「まつり」を中心に人が集まり、ごみも皆で拾いあう。こういうものを文化として継承していくことが大事だと思っています。

小出さん:各世代が別々に住むのではなく、一緒に住めるような街づくりがあれば良いと思います。

竹節さん:私の街では、子どもが登下校の際に、見ず知らずのお爺ちゃんやお婆ちゃんが見守ってくださるんですね。そういう社会っていうのは、すごくうれしいし、頼もしいし、住みつづけたいって思いますね。

岡本さん:徒歩圏内のコミュニティの暮らしに必要な施設が凝縮されている。例えば、ごみの回収でも効率の良い経路でできるだけエネルギーを使わないしくみなどによって地球環境にもやさしく、自分たちの住まいも充足していけるような社会であれば住みたいですね。

松平さん:英語で“カンバセーションピース”というものがあるのですが、これは、皆の話題づくりのきっかけになるものという意味で使います。例えば、朝顔を育てているのが通りから見える家があると、それを見て自然に会話が生まれます。その家が街に対して閉ざしているのか、開いているのかが伝わり、家から地域に発信できることもあると思います。

積水ハウスに来たいすることは?
広原さん:街の雰囲気に溶け込んでいくような「目立たない家」。時の流れに合わせて「上品に老ける家」。そして、そこに人が集い、話題があるような「縁を育てる家」をつくってもらいたいと思っています。

星野さん:街づくりや家づくりといったところから「地域再生」というものに貢献していただけたらと思います。もうひとつは、「アクションプラン20」のような取り組みを進め、他社を引っ張っていってほしいと思います。

小出さん:狭くても効率よく快適に暮らせる空間づくりを考えていただけたらと思います。また、一消費者としては、もう少し簡単に手が届きやすいものにしていただけたらと思います。

竹節さん:地域の景観や地形などを取り入れたりという試みはこれからもつづけていってもらいたいと思います。

岡本さん:建物というのは時間がたてば愛着もわく一方で、劣化や機能低下もします。住み始めてからも、いろんな相談にのっていただき、学ぶ機会をつづけていただきたいですね。

増地:お客様とともに住まいの規範をつくっていく、品格のある良い会社にしていきたいですね。これはこれからの住まい方、モノづくりにもつながってくるかと思います。

松平さん:まずは、年がたっても美しく、余分なものをそぎ落とした「シックでシンプルな家」。本物というのは何なのかを考えていただきたいと思います。もうひとつは、消費者とともに歩んでいただき「育む」ということを大事にしていただきたいと思います。日本のモノづくりに対して消費者は一定以上の品質は当たり前になってきている中で、選択肢に残るかどうかは企業姿勢というか、CSRへの共感がこれからとても大事になってくると思います。


松平 悠公子氏
コーディネーター
松平 悠公子氏
「家族と自然にやさしい暮らし」を提案するリクエストマ ガジン日経BP社 エコマム・プロデューサー
広原 盛明氏
長年にわたり、住まいと街づくりを研究
広原 盛明氏
京都府立大学名誉教授、NPO法人西山夘三記念すまい・まちづくり文庫 副理事長
星野 智子氏
NPO、企業、行政のネットワークをつくる
星野 智子氏
国際青年環境NGO A SEED JAPAN コミュニケーション担当理事
小出 敦子氏
すまい塾で老後の終の住まいを設計
小出 敦子氏
すまい塾卒業生
竹節 直子氏
すまい塾卒業後に大学で建築を学ぶ
竹節 直子氏
すまい塾卒業生
岡本 澄夫氏
すまい塾で設計した趣味の住まいを建築中
岡本 澄夫氏
すまい塾卒業生
増地 秀夫
製品開発部門の総責任者
増地 秀夫
積水ハウス株式会社 開発部長
西澤 良雄
住宅、まちなみ設計、商品開発を多数手がける
西澤 良雄
積水ハウス株式会社 総合住宅研究所 納得工房長
公開シンポジウムを受けて
和田 純夫  参加者の方からは、当社の取り組みについて高く評価していただいた一方で、「どのように住み継がれる住まいをつくっていくのかを明確にしてほしい」「このような意見交換の場をもっと増やしてほしい」といった課題もご指摘いただきました。今後もさまざまな機会を通して皆様と対話を行い、住宅業界をリードしていけるような取り組みを進めてまいります。そして、さらに地球に配慮した住宅を考えていきます。

積水ハウス株式会社 取締役・専務執行役員
技術・設計担当 和田 純夫
ページの上へ
「5本の樹」計画 暮らしの中のCO2削減 新築現場ゼロエミッション 持続可能なまちづくり 持続可能なライフスタイル 住まい手に開かれた研究所 公開シンポジウム サステナブルデザインハウス ゆとりと豊かさ創出プロジェクト 匠の継承