人と自然の共生社会 経年美化のまちづくり
積水ハウスは「コモンライフ」「コモンシティ」と名付けたまちづくりに取り組んできました。隣人同士のつながりやコミュニティを意識して設計し、緑豊かな共有広場や街路をシンボルとして設置するなど、より豊かな暮らしとまちのあり方への提案は、歳月を重ねるごとに美しくなる経年美化にもつながり、地域の皆様から高く評価されています。2014年からは「5本の樹」計画を柱としたまちなみ評価制度「コモンズ」の運用により、自然環境と調和したサステナブルなまちづくりを進めています。2019年度には79%の分譲地が、達成基準の★3をクリアしました。
生物多様性
地球上のさまざまな生き物たちの豊かな個性とつながりのこと。食料をはじめ、私たちの日常の暮らしは、この生物多様性に支えられて成り立っている。
これは当社のまちづくりの中で培われてきた「5本の樹」計画をはじめとしたさまざまなノウハウを、持続可能性の考えに基づいて表現したものです。当社が考える4つの価値(環境価値・経済価値・社会価値・住まい手価値)をベースにした「環境マネジメント」「経済マネジメント」「タウンマネジメント」「生活マネジメント」の4つの視点を持ち、具体的な24の指針を考慮しながら「スマートコモンシティ」をはじめとしたまちづくりを進めています。
まちなみ評価制度COMMON'S
2006年には「まちなみ参観日」をスタートし、緑豊かで経年価値を高めていく、独自のまちなみへの取り組みを、常に時代を先取りする形で進めてきました。
一方、中小規模の分譲地や売建中心の分譲地においては、生態系の配慮やまちなみの景観形成の面で改善余地のあるケースも散見されたため、2014年、全国の当社のまちなみを一定のレベル以上に守る目標として、まちなみ評価制度「COMMON'S」を創設しました。
「COMMON'S」は、周辺環境との調和を図る「5本の樹」計画・「統一感のあるまちなみデザイン」・「建物エクステリアデザイン」の三つの項目について基準を設け、★1~★5の5段階で評価ランクを定め、★3以上を達成目標としています。2019年度には評価を行った325団地のうち、79%の256団地が★3をクリアしました。2019年度は取組団地が大幅に増加しました。
評価項目
- 「5本の樹」計画
- 統一感のあるまちなみデザイン
- 建物エクステリアデザイン
「経年美化」のまちづくりを実践
当社はまちづくりにおいて、歳月を重ねていくごとに美しくなる「経年美化」の思想を実践しています。
「経年美化」のまちづくりとは、自然環境や原風景を生かした景観づくりを目指し、劣化しない素材を選んで耐久性の高い施工方法を採用すること(ハード面)と、豊かなコミュニティが生まれる環境も配慮し、まちが完成した後の運営と環境との調和を図る循環型の暮らし(ソフト面)とのバランスによって成り立ちます。
資産価値を求めるばかりではなく、地域文化とコミュニティをはぐくみ、さらに、地域生態系本来のバランスを基本とし、将来にわたってすべての人が快適に暮らせる持続可能な「まち」であること。それが当社の目指す「経年美化」のまちづくりです。
広島県にある大型団地「みどり坂」では、戸建分譲地エリアではみどりが育ち経年美化しており、新しい街区も順調に創られています。換地で得た大型土地のオーナー様による賃貸住宅が建ち並ぶ街区においても、団地協定を守ったみどりの管理による「経年美化」のまちづくりができています。
コモンライフ西大宮Ⅱ
2018年に販売をはじめた「コモンライフ西大宮Ⅱ」は大宮西部特定区画整理事業エリアにある12区画の分譲地です。
「コモンライフ西大宮Ⅱ」はまちの魅力を引き出すため、地域の環境を読み解き、敷地の高低差を活かした建物配置をしています。
環境問題にも注力しエクスエリアのアイテムを選定し、計画に活かしています。
「5本の樹」を採用した植栽計画での木陰の創出と温度上昇を抑制する駐車場の舗装、蒸散作用のあるジャカゴによる土留めの採用など、自然素材を活かしながらヒートアイランド対策を行っています。
2018年秋に埼玉県から「先導的ヒートアイランド対策住宅街モデル」事業の認定を受け、県と積水ハウスが共同で入居者様にも協力頂き、気象観測も行っております。
最近の社会問題である異常気象対策を県とコラボして先導的なまちづくりに取り組む企業の姿勢は高い評価を得ています。