脱炭素社会 3電池住宅において新たな居住実験を開始

積水ハウスと大阪ガス株式会社は共同で、
再生可能エネルギー

再生可能エネルギー

太陽光、風力、雨水、潮の干満、波など、利用しても自然に元に戻ると考えられる、再生可能な資源から集められたエネルギー。

が主力電源となる社会を見据え、3電池(
燃料電池

燃料電池

水素と酸素の電気化学反応(燃料の酸化)によって生じる化学エネルギーを直接電気エネルギーとして取り出す発電装置。「エネファーム」が家庭用燃料電池の統一名称。

蓄電池

蓄電池

充電と放電を繰り返すことが可能で、貯蔵した電力を必要に応じて供給することができる電池。「二次電池」や「バッテリー」ともいう。

太陽電池

太陽電池

光エネルギーを吸収し、電気エネルギー(電力)に変換する機器。主に、太陽光エネルギーを家庭用や産業用の電力として活用する目的で使用される。

)を備えた住宅(以下、「3電池住宅」)において電力系統の安定化への貢献可能性を検証するために、約1年間の居住実験を4月に開始しました。
大阪ガスと積水ハウスでは、リノベーションした既存住宅にて長期居住実験を2016年12月から2年間実施し、
燃料電池の最大活用

燃料電池の最大活用

燃料電池を常に高効率で定格運転するためにW売電(太陽電池と燃料電池を併設し、それぞれ売電量を測り分けて売電すること)させるとともに、排熱を給湯や暖房に有効活用すること。

等により、快適性を向上しつつ
ネットゼロエネルギー

ネットゼロエネルギー

太陽電池等によってエネルギーを創り、年間に消費する正味(ネット)の1次エネルギー量がゼロ以下となること(建築物エネルギー消費性能基準同様、家電製品による電力消費は除く)

を達成しました。今回、この検証の場において、新たに以下の居住実験を開始しました。

電力系統の安定化への貢献可能性の検証

3電池住宅において、以下の実験を行うことで、電力系統の安定化への貢献可能性を検証します。

  1. 3電池住宅の太陽電池の発電電力の変動に合わせて燃料電池や蓄電池を制御し、電力系統への変動を抑制することで、電力系統への影響を最小化します。
  2. 電力系統内において太陽電池等の再生可能エネルギーからの供給電力が過剰な場合に、燃料電池の発電電力を下げたり、蓄電池を充電させたりすることにより、電力系統の需給バランスの維持に貢献します。
  3. 仮想発電所(VPP)の1 リソースとして3 電池住宅を想定し、送配電事業者からの指令を模擬し、需給バランスの維持に必要とされる調整力を提供します。また、これに伴う生活者への影響を評価し課題を抽出します。

図:電力系統の安定化への貢献可能性の検証

 大阪ガスと積水ハウスでは今後も燃料電池を活用した住宅の普及促進に取り組み、お客さまの快適な暮らしの実現と環境負荷の低減、再生可能エネルギー普及拡大等に貢献して参ります。

居住実験住宅の概要

写真:居住実験住宅

建築地: 奈良県北葛城郡王寺町
建物概要: 軽量鉄骨造2階建
4LDK(延床面積 138.8m²)
設備概要:
  • ・燃料電池
    固体酸化物形燃料電池(SOFC)(定格出力700W)
  • ・太陽電池
    多結晶型(定格出力5.08kW)
  • ・蓄電池
    リチウムイオン蓄電システム(9.8kWh)
  • ・その他設備
    エアコン、床暖房、LED 照明、電動シャッターなど
居住家族人数: 3人
実験期間: 2020年4月~2021年3月(予定)

実証システムの詳細および前回実験の結果については、以下のニュースリリースをご参照ください。