働き方改革 ワーク・ライフ・バランスの推進
業務の効率化を図り、生産性を向上させるための施策をグループ全体で進めています。同時に、従業員一人ひとりに仕事だけでなく人生そのものを充実させてほしいとの考えから、時間外労働の削減や年次有給休暇の取得率向上などに取り組んでいます。
住まいは本来、気候風土・地域特性・敷地条件・家族構成・ライフスタイル・ライフステージなど、それぞれ異なる状況のもとに一邸一邸創造されるべきものです。積水ハウスでは創業以来、それぞれに異なる事情と、お客様一人ひとりの思いを受け止め、ハード・ソフト両面にわたって細やかに配慮した提案によって、最大の満足を提供する「邸別自由設計」の住まいづくりに一貫してこだわり続けてきました。限られたプランから選ぶのではなく、一つひとつのプロセスを充実させ、じっくりと時間をかけたお客様視点の住まいづくりを行っているため、どうしても長時間労働になりやすいことが課題でした。
そこで業務上の無駄や重複を見直し、業務の効率化を図り、生産性を向上させるための施策をグループ全体で進めています。同時に、従業員一人ひとりに仕事だけでなく人生そのものを充実させてほしいとの考えから、時間外労働の削減や年次有給休暇の取得率向上に取り組んでいます。また、仕事と家庭の両立支援の観点から、それぞれの家庭事情に合わせた働き方ができるよう、育児・介護等を支援する制度の充実により、従業員のワーク・ライフ・バランスを推進しています。
職場環境の改善
全国の事業所で「安全衛生委員会」「業務改善委員会」などを中心に、「職場の安全衛生」「業務の効率化・改善・改革」などにかかわる項目について、従業員が主体となって行動目標を設定して取り組んでいます。2019年度も、チェックリストを用いた事業所内安全衛生点検、労働災害防止に関する勉強会、社外講師を招いてのメンタルヘルスセミナーなどを実施しました。また、労働安全衛生法の改正により2015年12月から義務付けられたストレスチェック制度を活用し、集団ごとの分析結果に基づき、職場環境の改善を進めています。
長時間労働を是正し、業務改善による生産性向上を図るために、全事業所の職責者と管理職を対象に、適正な労務管理に基づく人材マネジメント推進説明会を開催。全事業所へ周知されたのを機に、2011年度以降はエリア対応としています。残業時間を削減するため、部門ごとに業務効率化や労働時間短縮に向けたワーキンググループを発足して活動しています。勤態管理においても職責者・リーダーがメンバーの労働時間を容易に把握できるシステムを導入しました。さらに、定時退社日の設定、外出先からの直帰を推奨するなどの取り組みを推進しています。また、経営会議において事業所ごと・職種ごとの時間外労働時間を検証し、改善の促進を図っています。
メンタルヘルスマネジメントの推進
事業を持続的かつ健全に運営するためには、従業員が身体の健康だけでなく、心の健康(メンタルヘルス)を良好に保つことが重要となるため、管理職を対象とした「メンタルヘルスマネジメント研修」、入社2~3年目の従業員を対象とした「セルフケア研修」のほか、ニーズに合わせて「ライフケア」「コミュニケーションスキル」などをテーマにした研修を実施。全従業員のメンタルヘルスに対する理解促進・意識向上を図っています。
また、各事業所の職責者やチームリーダー(店長、設計長、建築長など)に「メンタルヘルス・ハンドブック」を配布。早期発見による休業長期化防止、労災認定基準の改定を踏まえた長時間労働対策、セルフケア促進によるメンタル疾患の軽減などに取り組んでいます。
今後もワーク・ライフ・バランスを推進し、さらなる生産性向上、ES(従業員満足)向上を実現するため、相互理解による活力あふれる職場づくりを目指し、メンタルヘルスマネジメントに取り組んでいきます。
ITの活用による業務効率化・生産性向上
ITの活用を推進し、iPhoneやiPadなどのスマートデバイスで主要な業務処理を行えるようにしたことで、出先で完結する業務範囲が拡大しました。打ち合わせ効率の改善とともに、迅速な対応と明快で説得力のあるプレゼンテーションにより、お客様満足度が向上。従業員の生産性も向上し、働き方改革にもつながっています。
ITの活用による業務改善を進めた結果、2015年・2016年・2019年に経済産業省・東京証券取引所の「攻めのIT経営銘柄」に、2017年・2018年には「IT経営注目企業」に選定されました。
「スマートホリデイ」による年次有給休暇の取得促進
従業員が充実した休日を過ごし、リフレッシュや自己研さん、家族・友人・地域とのコミュニケーションの時間を大切にすることで、仕事への活力がわき、結果として仕事の質を高め、成果を生み出すことを目指して、年次有給休暇の取得を推奨しています。
2015年からは「スマートホリデイ」として、取得者率80%を目標としています。孫休暇、子ども休暇、ヘルスケア休暇、アニバーサリー休暇、ボランティア休暇など、多彩なテーマを設け、多様な価値観や役割を持つ従業員に幅広く対応するようにしています。「スマートホリデイ」をきっかけに、従業員一人ひとりが大事にしていること(ライフ)を上司や仲間が理解し、円滑なコミュニケーションにつながることも期待できます。
また、2013年から「時間単位年休制度」を設けています。育児・介護・家族行事・地域活動・健康・趣味・自己啓発などのために、幅広く活用されています。
なお、厚生労働省が公表した労働基準関係法令違反に係る公表事案には該当していません。
■ 仕事と家庭の両立に関連するデータ
項目 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
男性育児休業取得人数 (短期間の利用を含む) |
119人 | 162人 | 436人 | 597人 | 818人 | 1,054人 | |
年次有給休暇取得率※ | 31.7% | 32.8% | 35.0% | 39.7% | 42.2% | 56.09% | |
柔軟な勤務制度の活用人数 (期間内取得者合計) 「短時間勤務制度」 「勤務時間繰り上げ・繰り下げ制度」 |
659人 | 814人 | 1,000人 | 1,017人 | 1,151人 | 1,026人 | |
平均勤続年数 | 男性 | 16.88年 | 16.16年 | 16.47年 | 17.05年 | 17.34年 | 17.63年 |
女性 | 9.53年 | 9.78年 | 10.07年 | 10.47年 | 10.76年 | 11.06年 | |
男女差 | 7.35年 | 6.38年 | 6.40年 | 6.58年 | 6.58年 | 6.57年 | |
1人当たり月平均総労働時間 | 168.22時間 | 171.37時間 | 170.02時間 | 168.32時間 | 170.26時間 | 168.17時間 |
各年度とも3月11日~翌年3月10日までの実績。2019年度の年次有給休暇平均取得日数は9.8日。