人権の尊重

積水ハウスグループは、持続可能な社会への貢献を目指して、安心・安全・健康な住まいとサービスを提供し続けることが使命であると考えています。2020年4月に、「積水ハウスグループ 人権方針」を策定し、人権尊重の責任を果たすことを社内外に表明しています。この方針は、「
国際人権章典

国際人権章典

「世界人権宣言」「市民的及び政治的権利に関する国際条約」「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」という3つの文書の総称で、現在、国際的に認められた人権保障の基本的な枠組みとされている。

」「
労働における基本的原則及び権利に関するILO(国際労働機関)宣言

労働における基本的原則及び権利に関する宣言

「結社の自由及び団体交渉権」「強制労働の禁止」「児童労働の実効的な廃止」「雇用及び職業における差別の排除」が謳われている。

」「
ビジネスと人権に関する指導原則

ビジネスと人権に関する指導原則

2011年に国連人権理事会によって承認され、企業活動に関係する人権面での負の影響に関し、国家及び企業に期待される行動について定めた国際的な指針。「国家の人権保護義務」「企業の人権尊重義務」「企業と国家双方の人権侵害救済責任」の認識に基づいている。

」など国際規範を尊重し、国連グローバル・コンパクトの10原則の支持を表明するとともに、当社グループの企業活動の基盤となる「積水ハウスグループ 企業行動指針」に記した原則の一つである「人権の尊重」を補完し明確にするものと位置付けています。そしてこの実践を確かなものとするために、「人権デューデリジェンス」を実行し、人権尊重の組織づくりを一層強化していきます。なお、労使協定によりカバーされている従業員の割合は100%です。

積水ハウスグループ人権方針の表明

 積水ハウスグループは、「国際人権章典」「労働における基本的原則及び権利に関するILO(国際労働機関)宣言」「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際規範の尊重や、
国連グローバル・コンパクト

国連グローバル・コンパクト

1999年の世界経済フォーラムにおいて、当時国連事務総長であったコフィー・アナンが企業に対して提唱したイニシアチブ。各企業が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組みづくりに参加する自発的な取り組みを進めている。

の10原則への支持、国際社会共通の目標ともされる
SDGs

SDGs

2015年9月の国連総会で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略。2030年までに、環境破壊、人権配慮や貧困解消など世界で解決すべき目標を示したもので、17の目標と169のターゲットで構成されている。持続可能な社会の実現に向けて、国や自治体だけでなく、企業の役割と関与の重要性を初めて明確に示した点が特徴。

の精神を踏まえ、2020年4月に、「積水ハウスグループ 人権方針」を策定しました。
 「『わが家』を世界一 幸せな場所にする」というビジョンを達成するため、私たちのさまざまな事業を通じて、あらゆるステークホルダーの人々の「幸せ」が実現することを強く願い、私たちの企業理念の根本哲学である「人間愛」を実践し、人権尊重の責任を果たすことを表明しています。

■ 積水ハウスグループ人権方針について(要旨)

「積水ハウスグループ 人権方針」では、主に以下について表明しています。


  • 対象は積水ハウスグループ全ての役員と従業員とし、協力工事店、サプライヤーを含むビジネスパートナーには、本指針の理解、支持を期待する
  • 積水ハウスの取締役会が、本指針を遵守し、取組みを監督する
  • 強制労働と児童労働を一切認めない
  • 出生、国籍、人種、民族、信条、宗教、性別、性的指向、性自認、年齢、各種障がい、趣味、学歴、家族等に基づくあらゆる差別やハラスメントを「しない・させない・ゆるさない」企業体質づくりを推進する

「人権デューデリジェンスの実施」

  積水ハウスグループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく人権デューデリジェンスを実施していきます。グループを挙げて年度単位で優先的な人権リスクを特定し、人権課題に関するステークホルダーとの対話を重視しながら、対策課題を実施していきます(PDCA)。また、人権への負の影響(人権侵害等)の事案もしくはこれを助長したことが明らかになった場合の是正・救済に努めます。

「ガバナンス意識調査」のスコア

  当社では、風通しの良い職場風土の実現を目指してグループ全従業員を対象に「ガバナンス意識調査」を毎年実施しています。調査の項目には「人権」が含まれており、直近3年間のスコア推移は下記の通りです。

■ 「ガバナンス意識調査」のスコア推移(人権関連項目抜粋)

  2017年度 2018年度 2019年度
セクハラを許さない風土 83.5 85.1 85.0
パワハラを許さない風土 77.5 79.2 79.7
差別を許さない風土 84.3 85.5 85.8

表中の数値は「非常にそう思う:100点」「ほぼそう思う:75点」「どちらともいえない:50点」「あまりそう思わない:25点」「まったく思わない:0点」として計算した結果の平均値

サプライチェーンにおける「人権」

 当社は、「積水ハウスグループ人権方針」において「サプライヤーを含むビジネスパートナー」に向けての人権方針の理解と支持の期待を訴えています。その基本姿勢のもと、「8つの調達方針」に沿った「
CSR調達

CSR調達

コンプライアンス(法令遵守)や公正性、さらに人権や労働問題への取り組みなど、調達先のCSR活動も考慮に入れた調達のこと。

基準」を2015年度に制定し、調達業務を行っています。 2017年度からは「取引先評価」に「CSR評価」項目を導入し、人権・労働に関しても自社評価してもらい、結果を点数化・評価しています。
 また、評価結果から判明した注視すべきサプライヤーに対しては、訪問でのモニタリングを実施し、その実態を確認しています。さらに、主要な取引先についてはCSR委員会傘下としてサプライヤー分科会を開催し、啓発を継続しています。

■ CSR調達基準

人権・労働 人権尊重、差別撤廃、児童労働の禁止、強制労働の禁止、賃金、労働時間、社員との対話・協議、安全・健康な労働環境、人材育成

建設現場における外国人就労者の人権

 当社は、「積水ハウスグループ人権方針」において「協力工事店」(「積水ハウス会」に所属する工事業者等)に向けての人権方針の理解と支持の期待を訴えています。優秀な人材確保に向けた競争の激化が予想される状況下において、完全子会社の積和建設グループや協力工事店の一部では、外国人技能実習制度に則った外国人就労者の受け入れなどを実施しています。

 当社が運営する三つの教育訓練センター(茨城県・滋賀県・山口県に所在)では、当該受け入れ先から要請があれば受け入れ時研修を実施して早期育成を図るなど、技能習得に向けた支援を行っています。なお、この受け入れ時研修について、随時受け付ける体制を構築すべく、当社施工部内に専任セクションを設け、検討を進めています。 また、外国人就労者の受け入れ状況や賃金等について、積和建設グループや協力工事店から適宜報告を受けています。

 また、2019年度には、ベトナムのハノイにおいて日本で就労する技能実習生の円滑な受け入れと育成をサポートするため、(一社)JIC協同組合支援協会や、現地機関と連携し、住宅メーカー初となる当社住宅建設工事向けの技能訓練施設を開設しました。この取り組みにより、円滑な技能習得と就労支援、積和建設や協力工事店の受け入れ・育成サポート、さらには国内の建築現場での施工力の確保を図ります。これにより、2022年には、積和建設や当社協力会社でのベトナム人の登用人数は約300人となる予定です。

 積水ハウスグループは企業行動指針・企業倫理要項に則り、外国人就労者の人権を尊重して行動しています。

■ 外国人就労者受け入れ状況(2020年2月1日現在)

  技能実習生 建設就労者
積和建設グループ 48人 13人 61人
協力工事店 15人 0人 15人
合計 63人 13人 76人