国際ビジネス アメリカ
コミュニティ開発事業/賃貸住宅開発事業/住宅販売事業
事業戦略
広い国土の異なる自然災害へ積水ハウステクノロジーを
米国では、今後数十年にわたり幅広い年代でバランスの良い人口増加が見込まれ、住宅需要が高まると予測されています。米国は国土が広いため、エリアごとに重視する課題が異なります。近年、ハリケーンの進路変更など気候変動に伴う問題が顕在化しています。また、西海岸は停電が頻発したり、過去に大地震が複数発生している地震リスクの高い地域です。伝統的な木造住宅が主流の中、自然災害や温暖化防止への強靭な耐震性能、防耐火性能、耐衝撃性能を備えた住宅が求められています。
課題
- 人口増加により住宅需要は旺盛
- ハリケーンの進路が変化するなど温暖化防止の機運が向上
- 西海岸では大規模地震の発生リスクがある
- 外装のメンテナンスが必要
対応
- Woodside Homesを買収、連携強化
- 積水ハウスの技術の移植
- 高い耐震性とZEH仕様の「シャーウッド」を建設
- 陶版外壁「ベルバーン」の導入
カリフォルニア州から米国でZEH普及を展開
カリフォルニア州は、環境関連の法整備を積極的に行ってきた環境先進州です。温室効果ガスの排出量削減が法制化されており、2020年から全米初の政策として、新築住宅に太陽光発電導入を義務付ける新しい規制が承認されました。当社の子会社であるWoodside Homesは同州の環境・建築物省エネ基準の改定に伴い、ゼロ・ネット・エネルギー(ZNE:米国版 ZEH)住宅の推進に向け、環境対応型かつ生活提案型の商品開発を強化しています。米国内で普及の足がかりにするとともに、将来的には環境に配慮したまちづくりを展開していきます。
生物多様性を踏まえた開発事業開
テキサス州のコミュニティ開発事業Canyon Fallsでは、生物多様性の保全を念頭に、樹齢120~150年のポストオークの樹木の生息に影響を与えないよう開発を行いました。根が繊細な樹種であるポストオークを保存しながらの開発は非常に難しいとされていますが、ポストオークは開発後も成長を続け、2018年末に同州の町フラワーマウンドの「TREE OF THE YEAR」を受賞しました。
Business Topics
米国初の「シャーウッド」によるコンセプトホームをIBS2020で公開
2020年1月、米国・ラスベガスで開催された米国最大の住宅見本市「IBS(International Builders' Show) 2020」に日本のハウスメーカーとして初めて出展しました※。当社は展示ブースの出展に加え、ラスベガス西部のサマリン地区に米国初となる「シャーウッド」(積水ハウスのオリジナル木造住宅)によるコンセプトホームを建設し、一般公開しました。米国で初公開となった「シャーウッド」への関心は非常に高く、米国で「住宅を通して社会を良くしていく」という当社の方向性を発信する貴重な機会となりました。
課題解決に向けたシャーウッドブランドの取り組み
コンセプトホームは、防耐火性能や省メンテナンス性を持つ陶版外壁「ベルバーン」を使用、高い耐震性と太陽光発電、蓄電池を搭載したZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様を備えた住宅です。米国が抱える社会課題に対して解決の道筋を示したコンセプトホームは、参加者から高い評価を得ました。テーマである、ライフバランス・自然とのつながり・共生などの精神を取り入れ、「東洋と西洋の住文化」「部屋の内部と外部」「テクノロジーとプライバシー」などを調和させたデザインとなっています。
これらの技術を米国に普及させることで課題解決を目指します。今後、暮らし方や健康など、ライフスタイルを提案する販売方法も取り入れながら、米国での「シャーウッド」普及促進に努めます。
※ 「初めて出展」については、開示資料などに基づく当社調査によるもの。IBSは、毎年約8万5000人以上の建設業界関係者、機関投資家などが世界中から訪れる住宅見本市。コンセプトホームとは、選ばれた1企業による実物展示のことで、当社がWoodside Homesとともに建設
コンセプトホームにおける「シャーウッド」の訴求ポイント
美しさ
- 「ベルバーン」
- クリアビューデザイン
- 大屋根水平デザイン
強さ
- 構造用集成材
- メタルジョイント構法
- 耐震性
機能性
- ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス
- スマートUD
- 空気環境配慮