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イギリス

事業戦略

住宅難解決への貢献を目指し、英国の住宅市場に本格参入

 2019年5月、英国の行政機関Homes Englandと総合不動産会社Urban Splashとパートナーシップを組み、英国の住宅市場に本格参入しました。英国では慢性的な住宅不足が社会問題となっており、約400万戸の住宅が不足しています。また、現地の伝統的な石造りやレンガ造りの住宅は、生産性や工期、品質面で課題が多く、これに代わる良質な住宅が必要とされています。当社の高品質・短工期な工業化住宅の技術を取り入れることで課題解決に寄与できます。英国政府は2050年までに脱炭素化することを目標としています。当社がこれまで国内で築いてきたZEHの実績をもとに、英国の環境問題を解決していくことが期待されています。

課題

  • 400万戸の住宅不足
  • 石造りやレンガ造りに代わる良質な住宅が必要
  • 2025年、ZEH(ゼロカーボン)義務化予定

対応

  • 政府機関Homes England、不動産会社Urban Splashと合弁会社設立
  • 高品質なモジュラー住宅の自社生産
  • 省エネ技術によるゼロカーボンを含む環境配慮住宅

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New Islingtonの高品質・高性能なタウンハウス

住宅地開発で「5本の樹」計画導入へ

 生物多様性保全の視点が取り入れられつつある英国の住宅開発で、当社は「5本の樹」計画をはじめとした生物多様性保全の取り組みを現地に落とし込むための検証を始めています。

シンガポール

事業戦略

地域に適した「スローリビング」の実現

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開発中のOne Holland Village

  One Holland Villageプロジェクトは、共同事業パートナーであるFar East Organization、Sino Groupと進めている、住宅、サービスアパートメント、商業施設、オフィスを擁する複合開発プロジェクトです。住宅棟の設計には当社が提案する居心地の良い空間「スローリビング」のコンセプトを取り入れ、住民に落ち着いた住空間を提供することを目指しています。シンガポール版「スローリビング」の実現に当たり、「Balcony Life(プライバシーに配慮し、内外のつながりのあるバルコニー空間)」「Storage(適材適所の使いやすい収納)」「Flexibility(限定的な空間を広く見せる工夫や可変性のある設計)」をテーマに具体的な設計に落とし込んでいます。またOne Holland Villageは、プロジェクト全体で規定を上回る緑化や地域冷熱供給を計画し、環境に配慮しています。今後も持続可能性や地域社会への貢献について現地パートナーと共有し、シンガポールにおける新たな価値の創出を目指します。

中国

事業戦略

住まい手目線と環境配慮で高水準な住空間を創出

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環境配慮建築としても高く評価されている太倉裕沁庭

 上海の周辺都市である太倉、蘇州、無錫と、東北部の瀋陽において「積水住宅・裕沁(ユーチン)」ブランドによるタウンハウスやマンション開発事業を展開しています。太倉Iプロジェクト(太倉裕沁庭)では、住まい手目線でのものづくり、環境配慮などが高く評価され、2019年度の「中国詹天佑賞 優秀住宅部門 最高金賞(中国土木建築学会)」を受賞(日本の建築学会賞・最優秀賞に相当)。CO2排出量が多い中国において、今後も環境技術を生かし、かつ住まい手目線に立った計画を推進していきます。

各国共通

事業戦略

ガバナンス強化において国内と密に連携

 各国現地法人と日本国内の当社本社部門の間で月に2回程度の個別ミーティングを実施し、密なコミュニケーションに努めています。2020年4月からは各国から選抜した経営層を中心に拠点マネジメント研修を実施しています。また、各国に向けて企業理念や経営方針を明確に伝え、相互理解を促進することで、ガバナンスの強化を図っています。

海外監査室の活動と海外内部通報制度の創設

 2019年4月に発足した海外監査室の活動を中心とし、各国現地法人においてガバナンスの強化に取り組んでいます。その中で、2020年6月から米国・オーストラリア・英国・シンガポールの現地法人(Woodside Homesを除く)において、独自の社内通報制度に加え、第三者の法律事務所を窓口とした海外内部通報制度を創設します。現地法人の従業員からの通報を法律事務所が受信した後、本社に直接届く仕組みによって、制度の実効性を確保します。