社会貢献活動 新しい芸術文化の発信拠点「絹谷幸二 天空美術館」

積水ハウスは、
CSR

CSR

Corporate Social Responsibility の略称。企業が事業活動において利益を追求するだけでなく、あらゆるステークホルダーとの関係性を重視しながら果たす社会的責任。

活動の一環として芸術文化振興による社会創造を目指し、日本における
アフレスコ画(壁画の古典技法)

アフレスコ画

壁に漆喰を塗り、漆喰がまだ「フレスコ(新鮮)」である状態(生乾きの間)に水または石灰水で溶いた顔料で描く手法。

の第一人者であり世界を舞台に活躍する洋画家、絹谷幸二氏の「絹谷幸二 天空美術館」を本社のある梅田スカイビル(タワーウエスト27階)に開設し、2019年12月には開館3周年を迎えました。世界初の試みである絵画の世界に飛び込む3D映像体験が楽しめるほか、絹谷氏の色彩豊かな絵画、彫刻立体作品を展示し、国内外問わず多くの来場があります。小中学校の課外授業の場としても活用され、開館後2年2カ月が経過した2019年3月1日、来館者数が累計10万人を突破しました。
 2019年度、「絹谷幸二 天空美術館」では3回の特別展示を開催し、来館者数は前年度を大きく上回る9万8626人(対前期比161%)となりました。

 開館2周年記念展 「夢見る力~空想大劇場」(2018年12月21日~2019年6月26日)

  新たに制作された3D映像「平治の乱」を、これまでの「夢無辺」と併せて上映し、「静」と「動」が織りなす百花繚乱の夢舞台を演出。さらに、東京・青山の「こどもの城」のエントランスを飾っていたアフレスコ(壁画古典技法)の傑作「アラベスク」全20面を展示しました。

写真:開館2周年を記念して制作された新作3D映像「平治の乱」

開館2周年を記念して制作された新作3D映像「平治の乱」

写真:開館時に制作された大迫力の3D映像「夢無辺」

開館時に制作された大迫力の3D映像「夢無辺」

特別展示「時空大旅行~理想郷を求めて」(2019年7月3日~12月16日)

  古今東西、森羅万象を描き出す絹谷ワールド。西へ東へ、時空を越えた絹谷幸二氏の理想郷への旅路をテーマにして映像、絵画、立体作品を展示しました。

写真:「日月天馬飛翔」(絵画)

「日月天馬飛翔」(絵画)

開館3周年記念展
「超!多次元空間への挑戦~平面に、立体に、そして3D映像に」(2019年12月21日~2020年6月29日)

  表現の可能性に果敢に挑戦する絹谷ワールドを、多次元から紹介する特別展。作者渾身の大作「オマージュ『平治物語絵巻』」を初出品、さらに絹谷藝術の軌跡をたどる常設展示コーナー「アフレスコ画家の誕生」をアトリエ内に開設しました。

写真:「大阪城満開日乃出」(絵画)、「夢無辺」(3D映像)、オマージュ「平治物語絵巻」(絵画)、「平治の乱」(3D映像)

「大阪城満開日乃出」(絵画)、「夢無辺」(3D映像)、オマージュ「平治物語絵巻」(絵画)、「平治の乱」(3D映像)

絹谷幸二 天空美術館「フレスコ体験」がキッズデザイン賞を受賞

 絹谷幸二 天空美術館の「フレスコ体験」が、キッズデザイン協議会(内閣府認証NPO法人)主催の「第13回キッズデザイン賞」において、「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門」でキッズデザイン賞を受賞しました。

 「フレスコ体験」は、人類最古の絵画技法につながる壁画の古典技法のフレスコを、子どもたちが間近で「見る」、実際に「創る」体験ができるワークショップです。フレスコの歴史、描き方、剥がし方の展示解説を交え、本物のフレスコをじっくりと鑑賞後、レンガに塗った漆喰の「壁」に、子どもたちは実際に自分の手で、普段とは全く違う技法で絵を描きます。これらの体験を通じ、子どもたちがより芸術の楽しさを体感できる場を創造していきます。

フレスコ体験は、毎月1回開催。

写真:本物のフレスコを鑑賞後、フレスコ体験を行う子どもたち

本物のフレスコを鑑賞後、フレスコ体験を行う子どもたち

「全国美術館会議」の正会員として加盟

 美術館は、美術作品やそれに関わる資料・情報を集め、保存し、研究し、公開しながら、未来の世代に伝えていくという使命を持っています。またコレクションの展示や特別展、教育普及活動等の様々な営みを通じて、地域社会と連携し、市民と交流しながら文化創造の拠点となる役割も担っています。全国美術館会議は、美術館の使命の実現を支え、その活動を社会にしっかり根付かせるため、総会、講演会、学芸員研修会、研究部会等を開催し、その成果を会員館や広く美術関係者、一般の方々と共有しています。

 2019年5月、「絹谷幸二 天空美術館」も全国美術館会議の正会員として加盟し、日本の美術館がともに考え、ともに行動することを目指して活動していきます。

1952 (昭和27)年に設立された全国美術館会議は、正会員:394館(国立10館、公立249館、私立135館)、個人会員:20名、賛助会員:52団体で構成(2019年6月14日現在)。

メセナアワード「This is MECENAT」に認定

 メセナアワードは、時代とともに広がり深化する企業のメセナ活動に光をあてる認定制度です。多彩な「メセナの今」を社会に周知するため、毎春メセナ活動を募集、審査会を開催しています。2019年「絹谷幸二 天空美術館」は、特に優れた活動を翌年の「メセナアワード」で表彰する「This is MECENAT」に認定されました。

ICOM(国際博物館会議)の第25回世界大会のエクスカーションで各国のミュージアム関係者が来館

 3年に1度開催されるICOM(国際博物館会議)の第25回世界大会が9月1~7日に日本で初めて京都で開催され、6日に行われたエクスカーション(体験型の見学会)では、世界各国のミュージアム関係者が「絹谷幸二 天空美術館」に来館されました。当日は絹谷幸二氏が展示解説を行い、世界初の絵の中に飛び込む3D映像やアフレスコ(壁画)をはじめとする作品を紹介。今後も唯一無二の最新型ミュージアムとして、国内はもとより海外へも芸術文化の魅力を発信していきます。

写真:絹谷幸二氏が世界のミュージアム関係者に展示解説

絹谷幸二氏が世界のミュージアム関係者に展示解説

展覧会開催に支援、協力

 さらに2019年度は、日本品質保証機構が主催し絹谷幸二氏が審査委員長を務める、子どもたちが地球環境を題材に絵を描くことを通して、環境問題について考えてもらうきっかけを提供する「JQA地球環境世界児童画コンテスト」の受賞作を当館のワークショップスペースにて展示しました。

 また、ふくやま美術館(広島)では「絹谷幸二の世界 - 富士山を中心に -」が開催され、支援・協力することで活動の幅を広げました。

「JQA地球環境世界児童画コンテスト優秀作品展」

写真:作品展示の様子(ワークショップスペース)

作品展示の様子(ワークショップスペース)

ふくやま美術館にて開催
「絹谷幸二の世界 - 富士山を中心に -」

写真:展覧会場の様子(ふくやま美術館)

展覧会場の様子(ふくやま美術館)

絹谷 幸二氏 略歴

 1943年 奈良県出身。東京藝術大学大学院壁画科修了後、ヴェネツィア・アカデミアに留学。アフレスコ壁画(壁画の古典技法)を修得し独創的なスタイルを確立する。以降、半世紀にわたって日本の現代画壇をリードし後進の育成にも尽力。主な活動として外務省主催の「日本ブランド発信事業」への参加や、教育活動として若手画家対象の「絹谷幸二賞」の創設、また文化庁の「子ども 夢・アート・アカデミー」にも参加。現在、東京藝術大学名誉教授、日本藝術院会員。2014年文化功労者として顕彰。